AGEs(体内糖化度)検査のしくみ~体内にAGEsを蓄積させないためには?

AGEsの増加はタンパク質変化を引き起こし、糖尿病、動脈硬化、高血圧症、がん、腎疾患、骨粗鬆症、神経疾患など、加齢と関係性のある様々な疾患の誘発につながります。
グランプロクリニック銀座のAGEs(体内糖化度)検査では、身体の中に蓄積されている病気の原因物質(老化物質)の蓄積状況がわかります。
AGEs(体内糖化度)検査はこんな方におすすめ
●甘いものが好きな方
●炭水化物が好きな方
AGEs(体内糖化度)検査とは
近年、健康や美容に悪影響を及ぼす要因として「糖化の進行」が大きく注目されています。
糖は身体のエネルギー源として必要ですが、糖質の摂りすぎは身体や肌の老化を促進させてしまいます。
この糖化反応により、人間の身体の大部分を構成するタンパク質と糖質の結合に異常が生じた後にできるのがAGEs(最終糖化生成物)です。
AGEs測定では、身体の中に蓄積されている病気の原因物質(老化物質)の蓄積状況を知ることができます。
「AGEs」とは?
そもそもAGEsとは、「Advanced Glycation Endproducts」の略称であり、日本語に直すと「最終糖化産物」になります。
タンパク質やアミノ酸といったアミノ基を持っている化合物と、糖分などのカルボニル基を持っている化合物が、縮合反応を引き起こして生成されるものです。
例えば、肉などを焼いた時に色が変化してきつね色になっていく反応を「メイラード反応」と呼びます。
このメイラード反応によって起きる生成物が「AGEs」なのです。
メイラード反応は食べ物を焼いた時だけに出る反応ではなく、実は体内でも反応が起きています。
食事でたくさんの糖分を摂取すると、体内で構成されているタンパク質と結びついてしまい、メイラード反応を引き起こしてAGEsを発生させます。
AGEsが体内で増加すると、細胞を攻撃して老化を早めてしまうと言われている「活性酸素」を生じさせたり、糖分とタンパク質が結合させたりすることで体内に構成されているタンパク質が本来の役割を果たせず、組織や細胞において様々な悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
体内に多くAGEsが発生している状態だと病気や症状につながってしまう恐れがあるのです。
AGEsと食事の関連性
AGEsは体内で生成されるだけでなく、調理によってAGEsが増えた料理を中心に食べていると体内のAGEs量が増加してしまいます。
調理によって増えるAGEsは、糖分とタンパク質を加熱調理することによって増えると言われています。
例えば、とんかつは衣のパン粉などに含まれている糖分と、豚肉のタンパク質が一緒に高温の油によって調理されていきますが、この調理過程でたくさんのAGEsが発生してしまいます。
また、揚げ物以外にも焼き物や炒め物などもAGEsが発生しやすい調理法です。
逆に、生野菜を使ったサラダや刺身などはAGEsの少ない料理となります。
全てを生食にするというわけではありませんが、あまり揚げ物や焼き物、炒め物が多くなりすぎないように気を付けることが大切です。
ちなみに、電子レンジを使った調理もAGEsを増やしてしまうと言われているので、注意しましょう。
AGEsと美容の関連性
体内でAGEsによる老化が進行していくと、臓器や血管だけでなく肌にも悪影響を及ぼしてしまいます。
AGEsは過剰に摂取した糖とタンパク質が結合することによって生成されるのですが、真皮層で土台の役割を果たしているコラーゲンもタンパク質で構成されています。
つまり、過剰な糖とコラーゲンが結合して、AGEsが生成されると、同時にコラーゲンが減少するのです。
コラーゲンが減少すると真皮層で肌を支えきれなくなり、シワやたるみを引き起こしてしまいます。
また、AGEsは活性酸素の分泌にも関与しています。
活性酸素というのは細胞や組織を過剰に攻撃してしまう性質を持っています。
体内に存在すること自体悪いことではないのですが、過剰に分泌されると正常な細胞や組織までも攻撃し、老化を進行させてしまいます。
中でも活性酸素は肌にも大きく影響を与えてしまうため、エイジングケアには活性酸素を取り除く抗酸化物質を取り入れた商品が数多く販売されています。しかし、いくら活性酸素を取り除いたとしてもAGEsが過剰に蓄積された状態では、再び活性酸素も増加してしまうため、肌トラブルの根本的な改善にはなりません。
病気のリスクだけではなく、美容に対してもリスクがあるため、エイジングケアの観点からもAGEsをできるだけ増やさないようにしていく必要があると言えます。
AGEs(体内糖化度)検査の仕組み
では、ここからAGEs(体内糖化度)検査の仕組みについて見ていきましょう。
AGEs(体内糖化度)検査は光による測定のみで、血液を採取することなく簡単に測定することができます。
血液採取がないという面では、精神的な苦痛を感じることがないため、安心して測定できるのがメリットと言えるでしょう。
また、AGEs(体内糖化度)検査では手の指の側面を当てて測定します。
指の側面は、メラニン蓄積が非常に少ないことや、太い血管がないこともあり、より正確な測定値を出すことができます。
こうしたポイントを見ても、高い再現性を得るためには指の側面でAGEs検査をすることが望ましいのです。
前述した通りAGEs(体内糖化度)検査は、光センシングにおける測定を行います。
AGEsの中には、特定の励起光を照射することで蛍光を放出する性質を持っているものがあり、この性質を採用することでAGEs(体内糖化度)検査を可能にしているのです。
具体的には、指先を当てると、自動でレンズを通して光源から励起光を照射します。
それによって、「経皮蛍光」と呼ばれる光を指先から認識することができる仕組みです。
経皮蛍光は、体内を巡る血液中に存在するAGEsの1種を測定するために非常に役立つと言われています。
このように、独自開発された光センシング技術を採用することによって、時間をかけずにAGEs(体内糖化度)検査することができるのです。
血液採取の場合は、AGEsセンサを使用する際と比べると時間がかかりますし、精神的に苦痛を感じてしまう方も多いでしょう。
しかし、AGEs(体内糖化度)検査は老若男女問わず迅速で簡単な測定が行えます。
AGEs(体内糖化度)検査は、食生活・生活習慣・運動不足などが適切かどうかを把握する上でも現代人にとって必要な検査であるといえます。
AGEs(体内糖化度)検査で分かること
AGEs(体内糖化度)検査では、体内にあるAGEsがどれほどあるのかを調べることができます。
通常、年齢を重ねていく中で体内のAGEs蓄積量は増加していくものの、バランスの良い食生活や適度な運動などといった健康的な生活習慣を送っている方の場合、量自体はそこまで多くなりません。
しかし、偏った食生活や運動不足、睡眠不足など、健康的ではない生活習慣を送っている方の場合、AGEsの蓄積量が急激に増加しているということが研究によって明らかになったのです。
そのため、AGEs(体内糖化度)検査を受けることによって、その人の生活習慣は本当に健康的かどうかが見えてきます。
また、AGEsは様々な病気との関連性があるとも言われており、病気の危険性が迫っていないかどうかもチェックできます。
例えば、動脈硬化やアルツハイマー病、心疾患、呼吸器系疾患、脳卒中、白内障、骨粗しょう症など、生活習慣とも関連性の高い病気のリスクがないかも知ることが可能です。
特に糖尿病や糖尿病予備群の方は、インシュリンがうまく機能しないことで血液中に糖がたくさん流れている状態になり、それによって血管壁に構成されているタンパク質や、血液中を流れる遊離アミノ酸などがメイラード反応を起こしてしまうことで血管の老化が進行し、動脈硬化などに発展してしまう恐れがあります。
糖尿病と診断され、現在治療を行っている方は、まだ薬によって血糖値を調整することも可能ですが、予備軍の方の場合は対処していないケースが多いため、糖尿病と並行して動脈硬化を発症するリスクが高まっている状態と言えます。
AGEs(体内糖化度)検査を実施することにより、糖尿病や糖尿病・生活習慣病などと関連した病気のリスクがないかを知ることも大切です。
体内にAGEsを蓄積させないためには?
AGEs蓄積は、身体の糖化を早める原因になると言われています。
身体の糖化が進むと老化が早まるとされており、加齢だけでなく、普段の食生活・生活習慣・運動によっても蓄積してしまう可能性があります。
特に、生活習慣病によってAGEsの増加が加速してしまうと、加齢による疾患リスクも高まることが明らかになっています。
AGEsは、前述したように糖とタンパク質が結合したもので、「最終糖化産物」と呼ばれており、例えば、加齢によるAGEsの蓄積で骨折や筋力低下・皮膚のシワ・たるみ・アルツハイマー病・臓器機能障害など全身に影響が出てきます。
こうした加齢に伴う疾患を発症させないためにも、日頃からAGEsを蓄積しないよう過ごしていくことが大切です。
ストレス軽減
AGEsは、ストレスによって生成が促進されるという特徴を持っています。
ストレスは、身体の酸化を招き、AGEsを蓄積させます。
日頃からストレスをため込まないよう生活にゆとりを持つ工夫をしたり、適度な発散やリラックスタイムを設けたりしてAGEsを増やさないようにしましょう。
炭水化物の過剰摂取を控える
ご飯やパン、お菓子などに含まれる炭水化物は、体内で分解されると糖分に変わって蓄積されます。
通常、脳のエネルギー源として使用されるため、必要不可欠なものなのですが、バランスの悪い食生活などによって炭水化物を過剰に摂取していると、インシュリン分泌が追いつかなくなり、AGEsの生成量が増えてしまいます。
特に、炭水化物が好きな方は過剰な摂取を控えるようにしましょう。
AGEsを多く含む食品を避ける
そもそもAGEsは食べ物に由来するものが多いと言われています。
コーヒーや赤ワイン、醤油、味噌などの茶色い食品や、上記でも紹介した食品を焼く・揚げるといった調理方法もAGEsを多く摂取する原因になってしまいます。
特に、これらの食品に含まれるAGEsの3割は、食事を通して体内に運ばれていくのです。
AGEsを多く含む食品はなるべく避けたり、調理方法を変更したりと意識的に食生活を改善することも重要なことです。
抗糖化物質の摂取
抗糖化物質は、カモミールや緑茶・ヨモギなどに多く含まれるほか、ビタミンB1・ビタミンB6などからも摂取することができます。
普段の食事で積極的に抗糖化物質を摂取するよう心がけ、食後には急激な血糖上昇を抑える低GI食品を取り入れるというのも1つの方法です。
生活習慣改善
生活習慣の改善は、身体の糖化を防ぐ基本です。
まず、AGEs蓄積には腎機能が密接に関連しています。
1度体内にAGEsが取り込まれると、腎臓から排出されるような仕組みになっています。
しかし、腎臓の機能が低下してしまうと、AGEsは上手く排出されずに蓄積してしまうのです。
腎機能は、低下すると元に戻ることはないと言われています。
だからこそ、日頃から喫煙や飲酒・運動不足・不規則な生活を避け、バランスの良い食事を心がけて腎機能を維持させるようにしましょう。
また、特に喫煙は煙の中にたくさんのAGEsが含まれているため、直接たばこを吸っていない人も副流煙によってAGEsを体内に取り込んでしまう可能性が高いのです。
そのため、喫煙していないという方であっても周りの喫煙者から副流煙を吸ってしまっているという場合は、ぜひAGEs測定を受けて体内のAGEs蓄積量を把握しておくと良いでしょう。
適度な運動
筋肉を動かし筋肉量を増やすと、血糖値を下げる働きのある受容体を増加させ、糖の消費効果が期待できます。
運動不足は、AGEs蓄積を早めてしまう原因にもなりかねないため、適度な運動も非常に大切です。
糖化は様々な病気や老化反応に共通するものとして近年注目されています。
糖化反応の原因物質はAGEsであり、そのAGEsを体内に蓄積させないようにすることが必要不可欠です。
AGEs測定の仕組みや、体内にAGEsを蓄積させないために必要なことなどをご紹介してきました。
体内でAGEsが蓄積すると、糖化が進み病気の可能性を高めてしまいます。
また、加齢に伴い腎機能が低下すると、AGEsはスムーズに排出されなくなります。
腎機能を維持するためには、食事や運動不足といった生活習慣の見直しと改善が有効です。
外からAGEsを取り込まないよう、食事についても調理方法に気を配ったり、AGEsを多く含む食品を避けたりするなど、考慮することも大切なことです。
健康や美容の面でも注目されているAGEsは、今後も検査の必要性が高まる可能性が指摘されています。
自身の体内のAGEsを調べるためにも、AGEs(体内糖化度)検査を検討してみてはいかがでしょうか?
ブログ記述者

ブログ記述者
グランプロクリニック銀座理事長
岩本 麻奈
東京女子医科大学卒業。慶應病院や済生会中央病院などで臨床経験を積んだ後、1997年に渡仏。美容皮膚科学、自然医学、抗老化医学などを学ぶ。現在、パリの中心に居を構え、欧州大手製薬会社やコスメメーカーなどのコンサルタントを務める傍ら、様々なメディアを通して美容情報を発信中。著書は『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』など多数。
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