尿代謝・環境汚染物質検査で測定する有害物質とは

尿検査

健康のためのエネルギーを操る役割をもつ“代謝”

私たちは食物を摂取、消化、吸収し、その吸収したものを体内で代謝します。
呼吸や運動、神経伝達など、すべての生命活動を可能にするのも、この代謝のおかげなのです。

代謝とは、食物の栄養素が体内で消化・吸収され、それをエネルギーに変換する過程のこと。
体に必要な成分を生成し、また、不要な成分を尿や汗、便から体外に排出し、生命を維持します。

また、代謝には感染からの防衛やストレスへの適応、老廃物の排泄、エネルギーの生成、腸内環境の改善、細胞の維持・修復など、体の健康を維持するために必要なプロセスが多く含まれています

これらのプロセスが最適に機能するためにはビタミンやミネラル、その他の栄養素が不可欠。
とはいえ、栄養の不足やホルモンバランスの悪化など、問題が発生したりすることもあるのです。

尿代謝・環境汚染物質検査はこんな方におすすめ

●慢性疲労やエネルギー不足に悩む方
●メンタルに不調がある方
●便通の異常がある方
●血糖調節に問題がある方
●不調が続いている方
●不妊治療をされている方

細胞レベルから健康状態を可視化する

その代謝において活用されるのが「有機酸」です。

有機酸とは、細胞代謝の事実上のすべての経路となる中間化合物。
この化合物は食事で摂取するタンパク質、脂肪、糖質などに由来するもので、エネルギーの生成、細胞の維持ならびに修復プロセスに携わっています。

病気の症状が体に現れる前に、細胞内では変化が起こるのですが、正常な代謝に必要とされる多くの反応に異変が生じてしまいます。
有機酸量の変化を通して、私たちは細胞レベルでどんな変化が起こっているのか、体がどのくらい正常に機能しているのか、自らの要求に対して体がどれほどの対応が可能なのか、などを知ることができます。

通常、尿中に現れる化合物である有機酸はごく微量です。
その尿から排出された有機酸をはじめ、その他の代謝副産物を調べることにより、私たちの身体のどこに不具合が発生しているのかなどを、有機酸のパターンによって細胞レベルから根本的な問題を見つけることが可能となります。

その増加はビタミンやミネラルの欠乏、代謝不全、酵素機能不全、腸内細菌の過剰反応、環境毒素との接触などを示している可能性があります。
つまり、有機酸は体内の代謝過程で活用され、エネルギーの生成や腸内環境の改善、細胞の維持・修復などの役割を担っているのです。

37兆個の細胞からつくられている人間の体

その一つひとつの細胞の健康は、食事によって栄養素が常にローテーションすることで、絶妙なバランスで成り立っています。
現代生活では、ストレスや食生活の乱れによって、気づかぬうちに栄養欠損や代謝異常が起こり、様々な身体の不調を招いてしまっているのです。

細胞

血液検査とは違う魅力がある尿検査

だからこそ、体内の栄養状態を把握するための検診が必要です。

その方法は主に2つ。
血液検査と尿検査です

通常、血液検査では、医療機関で設定されている血液検査項目から自分の栄養状態を調べることができます。
また、近年では「分子栄養学検査」により、栄養状態を解析するため60項目以上のより詳細な項目の血液を検査。

その検査結果から、不足している栄養素や代謝の状況を読み取り、薬やサプリメント、点滴などから必要な栄養素を補います。

一方、尿検査は、血液検査と同様に、体内の栄養・機能状態などを把握するうえで重要な情報を得ることが可能です。
尿検査とは、採取した尿の成分を調べる臨床検査で、皆さんも学生時代や健康診断で馴染みがあると思います。

尿検査から有益な情報を得られるのです。
尿は血液中の有害物質や新陳代謝の老廃物などを余分な水分とともに体外へ排出することを目的に、腎臓で生産されます。
この尿中には細胞やたんぱく質、糖質などが存在。

尿検査によって、その成分を分析し、健康な時の反応や測定値と比較することにより、腎臓系や尿路系の疾患、糖尿病、腎臓病、肝臓病、がんなどの疾患を発見することができます。また、尿検査は血液検査と異なり、検査を受ける方の負担にならないというメリットもあります。

そのうえで、尿検査を通して、尿内に存在する有機酸を測定することで、食事から摂取した栄養が体内でどのように働いているのかを見ることができます。
それが尿代謝検査です。

この検査では、少量の尿から検出される代謝副産物から、細胞の新陳代謝状態や栄養不足、体内毒性物質の蓄積など、以下の内容をチェックできます。

〇栄養素や抗酸化物質欠陥
〇腸内環境を悪化させる細菌
〇細胞やミトコンドリアのエネルギー生成能力
〇精神や認知機能に影響を及ぼす神経伝達物質
〇脂肪酸代謝 など

体に大きな影響を及ぼす「環境汚染物質」

環境汚染

続いて、日頃私たちは食物だけでなく、生活する環境にあふれている「環境汚染物質」の影響も受けることになります。

環境汚染物質とは毒性を持った有害物質です。
現代、私たちを取り巻く環境では、食物も含め、空気や水、化粧品、医薬品、また普段使っている多くの日用品を通して、それらの環境汚染物質が体内に蓄積されるのです。

そのためにも有害物質をすべて排除し、体内に取り込まないようにすることが最も良いのですが、それは現実的に不可能。
地球上どこへ行っても大気汚染は進行しています。

世界中の海も濃度の差はありますが、汚染されており、飲料水も同様。有害物質を含んだ産業廃水や酸性雨、地中に浸透した農薬などが、様々な経路で入り込んでいるからです。

当然、私たちが口にする食物に関しても言えることで、大半の食品には何らかの有害物質が含まれており、たとえば、野菜や果物、肉、牛乳、卵などには、農薬や抗生物質、成長ホルモン剤が残留。

何種類もの化学物質が添加され、保存料や着色料、甘味料、漂白剤、発色剤など、多種多様の化学的な食品添加物が含まれています。

また、汚れた海で育った魚介類には、有害金属や有害化学物質が蓄積されているのです。
このように数えきれない環境汚染物質が、この世界には存在します。そのすべてを排除することは、不可能に近いことであるといえます。

そんな有害物質に慢性的にさらされる生活を送ることは、人体の健康に大きな影響を与え、工業化された現代社会において、拡大傾向にあります。

その多くは、様々な病状と関連づけられており、目や鼻、喉のかゆみ、アレルギー症状、喘息、そして貧血や不妊症、生殖器官の異常、ホルモンバランスの変化、肝や腎の障害など、体内の様々な組織に影響を及ぼします。また、慢性疾患の主な原因にもなり、増加傾向です。

以下は、具体的な慢性疾患です。

〇がん
〇心臓病
〇慢性疲労シンドローム
〇化学物質過敏症
〇自閉症スペクトラム障害
〇注意欠陥多動性障害
〇自己免疫疾患
〇パーキンソン病
〇アルツハイマー など

尿検査は健康状態を知るための数多くのヒントをくれる

日々気づかぬうちに体内に取り込まれる環境汚染物質。それらをこれ以上取り込まないようにすること、体外に排出することがとても重要になります。
そのヒントを得るための検査が「環境汚染物質検査」なのです。簡単な尿検査で、体内に蓄積された有害物質から生成される代謝物などを測定できます。

環境汚染物質検査で測定する有害物質を紹介します。

パラベン

抗菌作用を持ち、保存料として化粧品や食品、医薬品などに用いられ、微生物による汚染や腐敗を防ぐ役割があります。また、化粧品に頻繁に使用される防腐剤です。直接皮膚に使用することが多いため、ダメージのある皮膚に対しては、接触皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。体内に入ったパラベンが蓄積されて、病気の進行を促すこともあるとされています。

キシレン

塗料や殺虫剤、洗浄流体、燃料、排気ガスなどの一般的な製品にだけではなく、香水や防虫剤からも検出されます。キシレンは肝臓で酸化され、尿中に排泄されます。キシレンへの長期間さらされることで酸化ストレスを増加。

吐き気や目眩、立ちくらみ、中枢神経系の抑制などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至るケースもあります。

フタル酸

有毒化学物質の中で最も一般的。
化粧品や洗剤、プラスチック容器、整髪剤、殺虫剤、マニキュア、香水、印刷インクなど、多くの日用品にみられます。

フタル酸は生殖障害や抑うつ白血球機能、がんと関連。
また、子供の血液凝固や低いテストステロン、また性的な発育変化を妨げ、特に男性胎児の脳の発達に影響します。

トリメチルベンゼン

染料や顔料、医薬品および工業薬品の原料になります。
吸入により錯乱や咳、目眩、頭痛、嘔吐などを発症。また皮膚の発赤や乾燥、目の充血や痛みが現れます。

液体を飲み込むと、化学性肺炎を引き起こす危険や中枢神経系に影響があります。
さらに、長期または反復的な影響で、皮膚の脱脂や慢性気管支炎、血液や中枢神経系に影響を与えることも。

ベンゼン

タバコの煙など、燃焼に関わるすべての副産物であり、工業プロセスによって放出される汚染物質です。
ベンゼンは変異誘発性と発がん性のある非常に毒性の強い化学物質で、目眩や吐き気、調整力の欠如、中枢神経系低下、また、血液の異常も引き起こします。
最悪の場合死に至る可能性もあります。

スチレン

建築材料やプラスチックの製造に使用され、自動車の排気ガス中に検出。
食品のパッケージ包装材として幅広く利用され、食品そのものに影響を及ぼすという報告もされています。
大量のスチレンの呼吸による被ばくは目や鼻、喉の粘膜に影響を与えます。

また、中枢神経系に悪影響であり、集中力欠陥や筋力低下、疲労、目眩を発症します。

トリエン

ペンキや塗料用シンナー、ゴム、印刷用インク、接着剤、マニキュア、殺菌剤など、様々なものを溶解することができる、溶媒として用いられます。

ポリウレタンの原料である有機化合物の原料です。
眼や気道を刺激し、中枢神経系に影響があります。高濃度の場合には、不整脈や意識喪失を発症。
長期または反復的な影響で、回復不能の脳障害を負うことがあります。

 

これらの有害物質は免疫系や神経系、生殖器系に影響を与えるため、不妊治療をされる方にも尿検査はおすすめです。
尿中に排出される有機酸を調べることで、月経前症候群や子宮筋腫、子宮内膜症、慢性尿路感染症などの、女性に関連する慢性的な問題を、より深く検査することができます。

グランプロクリニック銀座の尿検査では、体内の栄養状態と環境汚染物質を同時に調べることができます。

朝1番の尿を取ることで、尿に含まれる有機酸の量をはじめ、腸内環境やアドレナリン、セロトニンなどの脳内ホルモンの状態、解毒機能までを測定することが可能です。
今までの生活習慣を見直し、健康を維持するためのソリューションを手に入れましょう。

ブログ記述者

ブログ記述者

理事長 松山 淳

杏林大学医学部医学科卒業。慶應義塾大学医学部助手・医学部附属厚生女子学院(現:慶應義塾大学看護医療学部)講師、国立病院臨床研究部病理室長などを経て、米国抗老化医学研究所・クリニックにて研修。現在、日本人初のアンチエイジングスペシャリストとして、米国アテナクリニックインターナショナル抗老化部門部長、及び日本の複数の抗老化医療研究所、クリニックの顧問医を務める。