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幹細胞培養上清液療法がもたらす美容効果とは

幹細胞療法がもたらす美容効果とは

2006年、多能性幹細胞である「iPS細胞」が誕生したことをきっかけに、再生医療への関心が高まりました。
治療への活用も増えてきており、将来的にも様々な病気を治せるようになるのではないかと期待されています。
iPS細胞

そんな再生医療の中でも、幹細胞の培養によってつくられる幹細胞培養上清液を使った療法は、美容クリニックで受けることが可能です。
とはいえ、まだ新しく確立された治療のため、治療内容や美容効果などはまだまだ認知されていません。

そこで今回は、幹細胞培養上清液療法がもたらす美容効果についてご紹介します。

幹細胞培養上清液療法の特徴

まずは幹細胞培養上清液療法の特徴をご説明します。

幹細胞は人間の体の中で様々な細胞に変わることができたり、自身の細胞を丸々コピーできたりする細胞です。
細胞の元になる存在ということから、非常に重要な役割を果たしています。

たとえば、ケガして皮膚に傷ができる場合。
ケガに絆創膏を貼っている
このとき免疫系の細胞によって傷口を塞いでいき、そのあとに幹細胞が皮膚細胞に変化し、分化や自己複製していくことで傷は完全になくなります。

このように傷ができる前と同じような皮膚をつくってくれているのが、幹細胞なのです。

美容領域での幹細胞培養上清液療法では、ヒト由来の幹細胞から分泌される培養上清液を使い、肌に注入することで若々しい肌をつくり出します。
幹細胞の性質である分化・自己複製の促進によって、肌のターンオーバーが進み、新しい肌に生まれ変わることができるのです。

この療法では幹細胞そのものを注入するわけではありません。
幹細胞をそのまま注入してしまうのは倫理的な問題があり、禁止されているからです。

けれども使用が可能な幹細胞培養上清液には、多くのサイトカインが含まれており、健康的な肌を目指せるなど数多くの美容効果が期待できます。

幹細胞培養上清療法がもたらす美容効果

幹細胞培養上清液療法を取り入れているクリニックは増えてきていますが、一体どのような美容効果をもたらしてくれるのでしょうか?

ターンオーバーの正常化

表皮の構成図
肌(表皮)は基底層と有棘層、顆粒層、角質層という4つの層から構成されています。
中でも基底層は表皮の一番下に位置し、ここで細胞がつくられてどんどん上の層へと移動。

14日間ほどかけて角質層へ辿り着くと、そこからまた14日間ほど角質層に留まります。
留まった後は垢になって剥がれ落ち、次の新しい細胞に生まれ変わるというメカニズムです。
ターンオーバーの周期の図
ターンオーバーの周期は、20代の頃ではおよそ28日周期になっているのですが、加齢と共に衰えてターンオーバーの周期が遅くなってしまいます。
40代になると約40日周期に変化してしまうようです。

サイクルが遅れているといつまでも古い角質が肌に残っている状態になるため、乾燥を生み出しやすく、またメラニンがなかなか排出されず、シミやくすみとして残ってしまいます。
ターンオーバーが乱れる原因には、加齢以外にも睡眠不足や栄養素不足、紫外線、ホルモンバランスの乱れなども挙げられるため、若い世代でもターンオーバーが乱れてしまうことはあるでしょう。

こうしたターンオーバーの乱れを改善する方法としては、幹細胞培養上清液療法がおすすめ。

幹細胞培養上清液療法によってターンオーバーが正常化されることで古い角質が残りにくくなり、様々な肌トラブルの改善・予防効果が期待できます。

肌の弾力性がアップ

肌の弾力アップ
肌の奥にある真皮層には「線維芽細胞」と呼ばれる細胞が存在します。
この細胞は肌の土台を支えているコラーゲンやエラスチンを生み出し、若々しい肌に欠かすことのできない存在です。

そんな線維芽細胞も加齢に伴って機能が衰え、コラーゲンやエラスチンが生成されにくくなってしまいます。

幹細胞培養上清液には多くのサイトカインが含まれ、その中には線維芽細胞に働きかけるFGFという成長因子が存在。
線維芽細胞に働きかけることでコラーゲンやエラスチンの生成が促され、肌の弾力性がアップします。

そのためシワやたるみにも効果的なのです。

くすみ予防

顔色が悪く、くすみが気になるという方の場合、顔の血行が滞っている可能性も。
血液は酸素や栄養素を肌の細胞に届ける働きもあるため、長期間その状態が続くと、くすみ以外の肌トラブルを招いてしまいます。

幹細胞培養上清液には様々なサイトカインが含まれると紹介しましたが、その中にはVEGF(血管内皮細胞成長因子)というものもあります。
これには血管内皮細胞を増やす働きがあり、新しい血管を生み出せる環境を整えてくれます。

血管の図
顔に血管が増えるということは、酸素や栄養素をしっかりと行き渡らせることができます。
くすみはもちろん、様々な肌トラブルの改善・予防にもつながるでしょう。

美白効果

肌のターンオーバーが正常化されると、肌の奥にあるメラニン色素が浮き出てシミの解消につながります。
メラニンの生成図
シミが発生するメカニズムとしては、まず女性ホルモンや紫外線などの刺激誘引物質が表皮細胞に作用し、表皮細胞は刺激から自身を守るためにメラノサイト活性化因子のプラスミンを産生。
そのプラスミンによってメラノサイトが活性化し、チロシンというアミノ酸が変化してメラニンを作り出します。

またメラノサイトはメラニンを放出し、表皮細胞を守る働きもあるのです。
しかし何らかの原因によってメラニンが過剰に発生すると、色素沈着が起こってシミになるのです。

さらにメラノサイト内でチロシンが変化する際に酵素のチロシナーゼが働きますが、この幹細胞培養上清液には酵素の分泌を抑制する成分が含まれています。
そのため美白効果も期待できます。

いくつか美容効果を挙げましたが、ターンオーバーの正常化によって新しい肌を生み出すということで、ほとんどの肌トラブルに効果が期待できるのです。

幹細胞培養上清液療法には副作用があるのか?

この幹細胞培養上清液療法は、美容関連のクリニックで受けられます。
とはいえ効果的な治療でも、副作用が心配で敬遠してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
だからこそ副作用について、治療を受ける前に知っておく必要があります。

幹細胞培養上清液療法では、ヒト由来の幹細胞培養上清液を使用します。
幹細胞そのものを使用するわけではなく、幹細胞を培養する際に分泌される上澄み液を使用するため、ほぼリスクはありません。

つまり再生医療として注目を集めている幹細胞培養上清液療法は、安全性が高い治療であり、大きな副作用が現れる可能性は極めて低いといえるでしょう。

幹細胞培養上清液療法はより美容効果を実感できる

美容効果を実感する女性
最近はヒト由来の幹細胞エキスを活用したコスメも増えていますが、幹細胞培養上清液療法についての認知度は高いとは言えません。

ヒト由来の幹細胞培養上清液、特にヒト臍帯由来は様々なサイトカインを分泌し、多様性があるため、より美白効果を実感できると期待されています。
肌の細胞を活性化させ、ハリや潤いを取り戻してくれるサポート役です。

一方コスメでは効果があるといっても、なかなか効果を実感するのは難しい。
そのため、クリニックで幹細胞培養上清液療法を受けることをおすすめします。

幹細胞療法を受ける前に疑問点を解消しよう

医者の説明
幹細胞培養上清液療法とは、どのような治療なのか疑問に感じている人も多いのではないでしょうか?
ここでは幹細胞培養上清液療法について詳しくご紹介します。

幹細胞は誰の細胞を使うの?

幹細胞培養上清液療法で使われる幹細胞は、ヒトの臍帯や脂肪、骨髄の組織から採取した幹細胞を培養して分泌される上澄み液です。

幹細胞を肌に浸透させる方法は?

クリニックでは主に、点滴と注射で幹細胞培養上清液を注入します。

どこで受けられるの?

美容クリニックで受けられます。
ただし美容クリニックの全てで幹細胞培養上清液療法を行っているわけではありません。

費用はどのくらいかかるの?

費用はクリニックによって異なります。
なぜなら幹細胞培養上清液療法は、自由診療で保険が適用されないからです。

この療法はエイジングケア効果がとても高く、若々しさを取り戻したいと考えている人が多く受けられています。そのため1回の治療で、コスメなどと比較すると高い料金がかかってしまうのが一般的です。

もちろんコスメを使用するのも選択肢の一つですが、エイジングケア効果をより期待できる幹細胞培養上清液療法に魅力を感じる人は多いのです。
美容効果を感じる女性
加齢による美容への影響は、女性にとって大きな悩みのタネ。
美しい肌を保ち続けるためには何をするべきなのかと悩む人も少なくありません。
幹細胞培養上清液療法では、肌の中にある幹細胞に直接アプローチし、肌のターンオーバーを促進します。

また真皮層にも働きかけるサイトカインは、肌のキメを整えたり肌の弾力を取り戻したりする効果なども期待できます。

あの頃のような美肌を取り戻したい。そんな願いを叶えてくれる治療になっていくのではないでしょうか。

ブログ記述者

松山 淳

ブログ記述者

グランプロクリニック銀座理事長 松山 淳

杏林大学医学部医学科卒業。慶應義塾大学医学部助手・医学部附属厚生女子学院(現:慶應義塾大学看護医療学部)講師、国立病院臨床研究部病理室長などを経て、米国抗老化医学研究所・クリニックにて研修。現在、日本人初の抗加齢スペシャリストとして、米国アテナクリニックインターナショナル抗老化部門部長、及び日本の複数の抗老化医療研究所、クリニックの顧問医を務める。