葉酸代謝遺伝子検査でわかること

葉酸代謝遺伝子検査

日本人の約5人に1人が遺伝体質的に葉酸不足によるホモシステイン高値になりやすいという調査結果が出ており、長期間ホモシステイン値の高い状態が続くと血液凝固因子や血管内泌細胞に影響を与え、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こすともいわれています。

グランプロクリニック銀座では、葉酸代謝遺伝子検査を通してご自身が葉酸不足になりやすい体質かを知り、その葉酸不足を補う食品やサプリメントをご提案いたします。

葉酸代謝遺伝子検査はこんな方におすすめ

●これから妊活をはじめたい、もしくは妊活中の方
●妊娠中の方
●日常生活で野菜不足を感じている方
●葉酸不足になりやすい体質か心配している方
●循環器疾患の発症の危険性リスクを心配されている方
●ホモシステインの増加リスクを気にされている方

葉酸代謝遺伝子検査とは

ビタミンの一種である「葉酸」という栄養成分の代謝に関係していることが知られている遺伝子を調べることが目的で、この遺伝子を調べることで、ホモシステインという体によくない成分が、血液中に溜まりやすいかを調べることができます。

ホモシステインの量が多い人は、様々な病気になる危険性が高い傾向です。

この遺伝子検査を受けて早くから自分の遺伝子的体質を知り、普段から葉酸が多く含まれている食物を積極的に食べることで、ホモシステインが高いことが原因で起こる病気の予防に役立てることができます。検査では、綿棒を使って口内の粘膜を採取します。

飲食後30分以上経過してから水で2、3回うがいをし、専用の綿棒を使用して左右の頬の内側をそれぞれ10回程度こすり粘膜を採取。
その後、葉酸が不足しやすい体質かを遺伝子的に分析し、一人ひとりに最適なアドバイスを行います。

病気のリスクを下げる「葉酸」というビタミン

葉酸

ビタミンB群に属する水溶性ビタミンである「葉酸」。
緑黄色野菜や卵黄、豆類、レバーなどに多く含まれ、様々な病気の予防に必要な栄養素です。

体内では補酵素として、新しい細胞づくりを促すだけでなく、赤血球の生成や動脈硬化予防の役割もあります。

また、ホモシステイン(悪玉アミノ酸)を、血液中のコレステロール値を下げるメチオニン(必須アミノ酸)へと変換する過程においても不可欠です。
葉酸が血液中のホモシステインの生成を抑制する働きがあります。

葉酸は、1941年にハーシェル・ミッチェル(Herschel K. Mitchell)博士によってホウレンソウの緑葉中から未知の成分として発見され、ラテン語で葉を意味する「folium」にちなんで葉酸(folic acid)と名前を付けられました。

葉酸は体内や食品内で様々な形態で存在し、DNA合成やアミノ酸代謝、ビタミン代謝などに関係しており、名称の由来から植物性食物のみに含まれていると思われがちですが、レバーなどの動物性食物にも多く含まれています。

食事により摂取された葉酸は、腸管で小腸粘膜にある酵素によって分解され、小腸細胞内で吸収。その後、体内循環して肝臓へ送られます。

そこで血液中および胆汁中に放出され、肝臓内に蓄積。腎臓を通過した後に尿細管で再吸収。尿中に排泄される葉酸は、食事から摂取されたもののごく一部に過ぎず、尿中葉酸のほとんどは代謝物です。
葉酸の約50%は肝臓に存在し、残りは細胞内や血液中に含まれています。

健康維持をサポートする3つの働き

葉酸の働きについて詳しくみてみましょう。

細胞の合成と修復をサポート

葉酸には主に3つの働きがあります。
1つ目は、細胞の合成と修復をサポートすること。葉酸は、細胞の遺伝情報が記されているDNA(核酸)の生成に必要な栄養素です。

DNAは、いわば体の設計図。
よって、細胞が分裂して増えていく際、DNAの情報を正確にコピーすることをサポートするのが葉酸の役割になります。

葉酸が不足すると正常な細胞がつくれなくなるのです。
また、口や鼻の中、胃や腸など、様々な器官には粘膜が存在し、この粘膜も細胞によってつくられています。

したがって、新しい細胞がつくられることで、粘膜はその機能を保っているのです。たとえば、粘膜の機能が低下すると、口の中の粘膜においては口内炎、胃の中の粘膜においては胃潰瘍を発症。葉酸不足はここにも関係しています。

赤血球の生産をサポート

2つ目には、赤血球の生産をサポートする働きがあります。
葉酸は赤血球と白血球の生成に必須です。

赤血球

ビタミンB12とともに赤血球を作ることから「造血のビタミン」とも呼ばれています。
鉄が不足することで起こる「貧血」。その原因は鉄不足だけではありません。鉄はヘモグロビンとして赤血球に入り込み、血流に乗って酸素を運びます。

そのため、ヘモグロビンを含む赤血球の異変や不足も貧血の原因。
つまり、正常な赤血球をつくり出すため、葉酸やビタミンB12などが不可欠なのです。

それらの不足による貧血は「巨赤芽球性貧血(大球性貧血)」といい、倦怠感やめまいなどの症状が現れます。巨赤芽球性貧血は、葉酸欠乏症によるDNA合成障害の結果として発症。
また、巨赤芽球性貧血は潜行的に進行し,重度になるまで症状が現れないこともあります。

ホモシステイン濃度を低下

さらに3つ目は、ホモシステイン濃度を低下させること。

葉酸が不足して血液中のホモシステインが増加すると、酸化ストレスによって血管内皮細胞に障害を与え、血栓形成の要因になります。
たとえば、血液中にホモシステインが蓄積することにより、動脈硬化の危険性が上昇。

また、血をつくる機能に異常が発生し、神経障害や腸吸収障害などを引き起こします。

そのため、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、高血圧症など、循環器疾患の発症予防という観点からも注目されているのです。

ホモシステイン増加の原因には、葉酸やビタミンB12の不足、加齢、遺伝的体質などが関係します。

葉酸をしっかり摂取することで、ホモシステイン濃度は低下します。
また、ホモシステインの代謝を促すビタミンB6やB12を摂ることにより、ホモシステインの低減効果も期待できるのです。

葉酸が不足による症状

・貧血
・口内炎
・肌荒れ
・疲労感
・下痢
・胃潰瘍
・脳卒中
・動脈硬化
・神経障害
・腸吸収障害 など

一般的に葉酸が不足する「葉酸欠乏症」は、食事からの摂取不足や腸からの吸収不良、妊娠、薬剤投与(抗がん剤・免疫抑制剤・抗けいれん剤・非経口栄養剤など)、血液透析、アルコール中毒などが原因だといわれています。

逆に摂取し過ぎる「葉酸過剰症」として、痒みや蕁麻疹、ほてりなどを発症することもあります。
こちらは一般的な食生活を送っていれば発症することはありません。

葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰分は尿中に排出されてしまいますが、サプリメントを摂取目安量以上、長期間服用すると過剰症になることがあるので注意が必要です。

葉酸と妊婦には関係性がある

妊婦

2002年から母子手帳に情報が記載されている「葉酸」。

妊娠期においては欠かすことのできない栄養素です。
もし赤ちゃんの新しい細胞がつくられる妊娠初期(主に4週~12週)に、お母さんの葉酸が不足すると、新生児障害の一つである「二分脊椎症」などの先天性の神経管閉鎖障害の発症リスクが高くなります。

神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系のもととなる細胞の集合である神経管がうまく形成されず、一部がふさがって脳や脊髄の機能に異常を起こす病気です。

神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合には「二分脊椎症」と呼ばれ、脊髄の神経組織が脊椎の骨で覆われないという問題が生じます。そのため、脚部の運動機能や排泄機能に障害をもってしまうのです。

また、神経管の上部に閉鎖障害が起きた場合、脳が形成不全となる「無脳症」を引き起こし、流産や死産の確率が高まります。

さらに、授乳期においてお母さんの葉酸が不足すると、赤ちゃんの発育に影響を及ぼすことも指摘されています。
葉酸は血液には欠かせないため、血液からつくられる母乳にとって葉酸は必要不可欠な栄養素。つまり、栄養豊富な母乳をつくるためには葉酸が大切なのです。

また、赤ちゃんは母乳からしか葉酸を摂取できません。そのため、葉酸が不足した母乳では赤ちゃん自身の葉酸も不足し、成長に影響を及ぼす可能性があるのです。

そのために有効な防止策は葉酸の摂取です。

厚生労働省が推奨する葉酸の摂取量※1

成人女性:240㎍
妊娠期:480㎍
授乳期:340㎍
成人男性:200㎍

たとえば、納豆1パックに含まれる葉酸は約60㎍。

これらの葉酸を補うことで、神経管閉鎖障害の発症リスクを軽減できる※2とされています。しかし、葉酸はビタミンB6やビタミンB12、ビタミンCなどがなければ効果的に働きません。

ビタミンB6やビタミンB12は主に動物性食品、ビタミンCは果物などに多く含まれるため、バランスの良い食生活が大切です。

特に妊娠中の女性は意識する必要があります。
サプリメントを取り入れてみると効率的に摂取することが可能です。

ちなみに、日本人の葉酸摂取量は、毎年厚生労働省から発表される「平成28年度 国民健康・栄養調査報告」※3によると、1人1日当たりの葉酸摂取量は平均277μgです。

以下に、葉酸が多い食物を紹介します。

・ほうれん草
・ブロッコリー
・グリーンアスパラガス
・サツマイモ
・いちご
・オレンジ
・納豆
・枝豆
・鶏レバー など

病気や妊娠の一次予防のために

葉酸は、病気や妊娠などとの関係から、近年注目されています。
一般的に、多くの女性が妊娠に気づくのは、妊娠4週目過ぎです。

そのため、どうしても葉酸を摂取する時期が遅れてしまいます。
だからこそぜひ、妊娠に気づく前から赤ちゃんの体はつくられているということを意識してください。

特に妊娠を望む女性にとっては、前もって葉酸を摂取する習慣を心がけることが大切です。

また、細胞の働きにも関わり、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病の原因になるともいわれているため、女性だけでなく、男性の方にも日頃の生活において葉酸のことを考えていただきたいです。

そのためにも、まずは「葉酸代謝遺伝子検査」で自分の体の遺伝子のことを知り、将来起こりうる病気の予防に役立てましょう!

※1)
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要
https://www.mhlw.go.jp/

葉酸は神経管閉鎖障害の発症リスクを減少する:栄養士の認識度調査
https://www.jstage.jst.go.jp/

※3)
国民健康・栄養調査:平成28年度
https://www.mhlw.go.jp/

ブログ記述者

ブログ記述者

理事長 松山 淳

杏林大学医学部医学科卒業。慶應義塾大学医学部助手・医学部附属厚生女子学院(現:慶應義塾大学看護医療学部)講師、国立病院臨床研究部病理室長などを経て、米国抗老化医学研究所・クリニックにて研修。現在、日本人初のアンチエイジングスペシャリストとして、米国アテナクリニックインターナショナル抗老化部門部長、及び日本の複数の抗老化医療研究所、クリニックの顧問医を務める。