NMNはアンチエイジングの切り札として、いま注目が高まっている美容成分です。シワやたるみ、ハリなど永遠のお悩みの一つである老化に対する切り札として、「NMN点滴」が美容業界の新しいトレンドになっています。
ただ、この耳慣れない「NMN」とは、一体どんな成分、どのようにアンチエイジング効果をもたらすのでしょう?それには、長寿遺伝子である「サーチュイン遺伝子」の存在も深く関わっています。
そこでここでは、「NMN点滴」のことをまだ良く知らない方、知識を深めたいという方に向けて、その効果と安全性の面についてわかりやすく解説します。
◆スーパーNMN点滴療法とは?
スーパーNMN点滴療法は、ハーバード大学医学部の研究によって若返り効果が発見された、新しいアンチエイジング治療です。
注射でNMNを補給することで、身体機能や肌の衰えなど美容上の老化現象にも効果があることから、いま医療業界や美容業界で注目されています。
◆NMNとは?
NMNの正式名称は「ニコチンアミドモノヌクレオチド」です。この成分は決して新規化合物のような人工的な成分ではなく、人間や植物の中にももともと存在しているものです。
NMNはビタミンに似た物質であり、体内で自然と作られますが老化が進むにつれて量が減るといわれています。細胞内濃度を維持することで身体のコンディションを正常に保つことができます。
しかし、NMNが減るとさまざまな老化現象が起きるようになり、身体機能や外観上の変化、さらには認知機能の低下なども起こります。
このNMNは、枝豆、ブロッコリー、きゅうりなどの野菜にも含まれています。しかし、例えばブロッコリーで十分なNMNを摂取しようとすると、なんと約40kgも消費しなければならず現実的ではありません。そこで効率よくNMNを補給しようということで開発されたのが、NMN点滴です。
◆NMNとサーチュイン遺伝子
NMNを語る上で外すことができないのが、「サーチュイン遺伝子」の存在です。サーチュイン遺伝子という名前だけは知っているという方も多いかもしれません。
サーチュイン遺伝子は、別名「長寿遺伝子」「抗老化遺伝子」とも呼ばれています。人間の老化や寿命を司る正体として、サーチュイン遺伝子が存在していることが分かってきたのです。
そしてこのサーチュイン遺伝子のスイッチを入れて、活性化させる成分として「NMN」が注目されています。
◆なぜサーチュイン遺伝子をONにするの?
NMNは体内に吸収されて体のすみずみまで届けられると、NAD+という物質に変換されます。NMNはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の生合成前駆体であり、体内に入るとNAD+に変わるのです。
最近の研究では細胞内のNAD+の産生を促進することが、長寿遺伝子群(サーチュイン遺伝子)、ミトコンドリアの活性に関係していることが明らかとなっています。
NAD+もヒトにもともと存在する物質ですが、年齢とともに現象していきます。40代になるとピークの半分程度まで減ってしまうとも言われています。不足していくNAD+を補い、サーチュイン遺伝子をONにすること、つまり若々しさを保つためには、外からその原料となるNMNを補うことが効果的です。
◆NAD+は細胞のエネルギー源でもある
さらに、NAD+は細胞のエネルギーを作り出すためにも欠かせない存在です。ミトコンドリアという細胞の中の小器官において、エネルギーを作り出すとき「電子供与体」として働きます。
すべての真核細胞、細菌はNAD+を利用してATPを作ります。ATPとは全ての細胞や生き物が生きるために欠かせないエネルギー、燃料です。NAD+が無くなれば、ATPも作れなくなり、生物は生きられなくなってしまうのです。
生きていくためにもNAD+は欠かせません。つまりその前駆体であるNMNも欠かすことができないのです。
◆NMNの効果は論文でも実証されている
ハーバード大学医学部の研究で、人間でいえば60歳にあたる生後22カ月のマウスに、NMNを投与した実験があります。結果、1週間後には生後6カ月のマウスに相当する筋肉に回復していたのです。これは人間でいえば20歳に相当する若さということです。たったの1週間で40歳も若返ることができた、というのはマウスの実験データとはいえ、驚くべきものがあるでしょう。
現時点ではNMNに否定的な面は指摘されておらず、それどころか、目の疾患や肝臓、心臓などを守る作用があることも分かっています。現在、ヒトにおいても臨床研究が進められ、日本でも慶應大学医学部の臨床研究でヒトに安全に投与可能であると結論づけられています。
◆期待できる治療効果
NMN点滴で得られる効果としては、次のような効果があります。
- サーチュイン遺伝子を活性化
- 肌のツヤ、キメがアップする
- シミ・シワなど年齢肌の改善
- ホルモンバランスが整う
- 思考力、集中力が向上
- 疲れにくくなる
- ぐっすり眠れるようになる
- 代謝が上がる
- 神経の機能回復
さまざまな疾患とNMN、サーチュイン遺伝子の関連が明らかになっています。例えば、アルツハイマー病、認知症、糖尿病、脳血管疾患、心臓疾患、肺疾患、ガンなどさまざまな疾患への応用も期待されています。
NMN点滴はお肌や体力に年齢を感じるようになった方、肌の老化が気になっている方、疲労回復を求める方、全身的な若返りを期待する方におすすめの治療法です。
◆NMN点滴の流れ
NMN点滴では、NMNが含まれた点滴を左右どちらかの腕の静脈から投与していきます。おおよその時間は約30~40分です。麻酔も必要ないため治療後はそのまま帰宅できます。
1回の治療でも効果が期待できますが、持続的な効果、健康の維持、老化防止、疲労回復などが目的であれば、4週間に1回程度の治療を続けると効果が維持できます。
痛みや副作用について
NMN点滴について特に重大な副作用の報告は現時点ではありません。基本的にはデメリットが少ない治療法として治療が普及しつつありますが、あくまでも未承認薬となるため保険は適応されません。ただし日本においては医師の責任の下で使用することが認められています。
◆NMN点滴の副作用
NMN点滴の副作用として、次のようなリスクをあらかじめ確認しておきましょう。
- 注射部位の血管痛
- 熱感
- 赤み
- 発疹
- 掻痒感
治療後1日から2日で消失することが多いですが、不安な場合には事前に医師とよく相談することをおすすめします。
また、次のような方も安全に受けられない可能性があるため、医師の判断によって治療が受けられないことがあります。
- 現在治療中の疾患がある方
- アレルギー疾患をお持ちの方
- 薬剤アレルギーがある方
- 妊娠中・授乳中の方
ずっと若々しく、健康でいたいと誰もが願うものですが、年齢により肌ツヤも体力も次第に衰えていってしまいます。いかにサーチュイン遺伝子のスイッチをONにし、体の機能を低下させないこと、若々しい体を維持できるかが数年後、数十年後のあなたを変えていくことでしょう。
NMN点滴は自ずと減っていってしまうNAD+を補充し、サーチュイン遺伝子を活性化させることで全身の若返りを可能にする新しい治療法です。ぜひ、いつまでもあなたらしく、若々しくいられるように、この機会に治療を検討されてみてはいかがでしょうか。